[2000.11.13]
  永久機関への羨望


 ▼もう電源は不要!? 空気だけで充電を完了する驚異の携帯電話ホルダーが登場(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2000/11/08/11.html


 完全なコンピューティングを考えるなら,最小限の動作でエネルギーを創出し続けるものがなくてはならない。電源コードや,充電は,あまりにもスマートでない。できることならそこに,なんらかの永久機関があれば,完ぺきだ。

 マンハッタンサイエンティフィックス社が,メタノールと水を用い,空気と化合させることで発電するマイクロフュール・セルという技術で充電を行う携帯電話ホルダーを公開した。この燃料によって,携帯電話を1ヶ月間使うことができた。

 今週はもう1つ,SRIインターナショナル社が開発した歩行運動により発電を得るニュースもあった(ZDNet Newsの記事)。モバイル機器に省電力や新しい電力供給を,という動きは着実に進んでいる。トランスメタ社のクルーソーも含めて。……永久機関というシステムがある。すなわち,最初の動作を加えるだけで,あとはなんの燃料も与えず,なんの力を加えることもなく,永久に動作し,エネルギーを作り続けるというもの。風がなくても回り続ける風車や,燃料がきれても燃え続ける火があれば,その風力,火力によって無限に電力を創出できる。だが,現代熱力学では,エネルギーは,絶えざる力とその変位がないと生まれない,とされている。さらに,摩擦や抵抗で最初の動作は必ず消滅してしまう。そして,人間は,まだ永久機関を作り出せずにいる。人間の肉体という機械だって,物を食べるという動作と,そのあと,体内でエネルギーを作り出すための絶えざる作用があるのだし。

 もちろん,永久機関を発明したという話はあとを絶たない。永久磁石でエネルギーを取り出すジョン・サールの装置。モレイバルブにより得たエネルギーを増幅・共振させるヘンリー・モレイの装置。特殊なコイルで電気を増幅させるニコラ・テスラの装置。大気圧の変化でエネルギーを供給するジェームズ・コックスの装置。トンデモ系もあり,もしかしたらこれは…と思わせるものもあり,永久機関に寄せる発明家の情熱は,楽しい。マイクロフュール・セルは永久機関とはほど遠い。燃料のひとつとなる空気を「呼吸して」取り込むのに別の燃料を必要とする。しかし,その空気は,ほぼ無限と考えていい。21世紀には,22世紀には永久機関の発明があるだろうか。羨望は,やまない。


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